
本日は、記念すべき第40回目のバレエ発表会を迎えられたことを、心からお祝い申し上げます。
この特別な節目は、長野先生をはじめとする生徒の皆さま、そしてこの会を支えてくださるすべての方々の努力と情熱の賜物です。
これまでの道のりは、決して平坦ではなかったと感じています。
バレエは、ひたむきな練習と美しい表現の結晶であり、その舞台は観客に感動と喜びをもたらします。この発表会もまた、皆さまの技術と思いが込められた特別な場となることでしょう。
40回という長い歴史を祝うとともに、本日ご出演の皆さまが全力で輝けることをお祈り申し上げます。
長年にわたりこの発表会に携わってこられたスタッフの方が、この春に急逝されました。
彼も、空の上からお祝いしていることでしょう。
改めて、心よりお祝い申し上げます。
そして、本日は最高の舞台を楽しみ、素敵な思い出をたくさん作ってくださいね!
第40回発表会 パンフレットより抜粋
この度の発表会のバレエ使用曲を見て、いささか驚いてしまった。プーランク、ブルッフ、ビゼー、サティ「ジムノペディ」、バッハ「シャコンヌ」。私にとっては長年夢に描いたバレエ・パラダイスの曲集だったからである。
恐らく、音楽コンサートとしても、これだけ魅力のある優美なアルバムは滅多にないと思う。私如きマニアックは、バッハの「シャコンヌ」と聴いただけでも、この一曲のためにバレエを見にいくに違いない。音楽と一体化したバランシンのものを見た時の感動が忘れられないからだ。
今回の発表会のすべての作品が、偶然かもしれないが、このような稀に見る「名曲」で出来上がっているから驚くのだ。
これは当然、バレエ研究所の主宰者、長野与里子の「感覚」、主張の結果と見るべきだろう。考えてみても、全国で何千とあるバレエ研究所で、これほど「豪華」なプログラムを組める所は他に知らない。それほど長野与里子バレエ研究所はユニークなのである。
やはり、長野さんの長年の誠実なバレエ研究の結実がこのような偶然の僥倖を生み出したものであろう。発表会のご成功を切に祈るものである。
前田 允(まえだ ただし)
1931年千葉県生まれ
東北大学仏文科卒
俳優座演劇研究所、ナンシー国際演劇大学センター修了
元日本大学教授
訳書に『ローランプティ、ダンスの魔術師』『モーリス・ベジャール自伝』『アントニオ・ガデス』などバレエ関係多数